(想像力と演出で記憶をカバーした部分があります。
 ので、微妙に実物とは異なります。ご了承下さい。m(__)m)

「.hack パラレル学校編〜フィアナの末裔の出会い」

思えば、あいつと初めて出会ったのは、あの日廊下ですれ違った時だった。

友人と楽しそうに話すオルカ。

そのオルカとすれ違うバルムンク。

そこにやってくるカイト。

途端に激怒するバルムンク。
「貴様!」

何事かと振りかえるオルカ。
「あ?」

「貴様ではない、そこの赤い少年だ。」

「赤い服装は、校則違反だ!」

カイト、突然のことに慌て、言葉に詰まる。

オルカ、友人であるカイトをかばう。
「そう言うお前は、人のことを言えるのか?」

「何?」

「そのへんちくりんな格好のことを言っている。」

バルムンク、しかめ面でオルカを睨む。
「この服装は、校長先生から頂いた由緒あるものだ!」

「由緒がどうじゃねぇ。他人のことが言えるほど、お前の格好はまともじゃねぇって言ってんだ。」

「何を言う! とにかく、私は、学校の風紀を乱すものを、許すわけにはいかない!」

そこに通りかかるブラックローズ。

「ちょっとアンタ! さっきから聞いてれば、自分の変なカッコ棚に上げといてなんなのよ!」

オルカ、ブラックローズに囲まれ、特に、ブラックローズの気迫に押されて、さすがに後ずさるバルムンク。
「くっ、許したわけではないからな! 赤い少年!」

羽で飛び去るバルムンク。

そして、翌日。

風紀委員室に呼び出されるオルカ。

そこにはバルムンクと昴が待っていた。

睨み合う両者。

「風紀委員長、バルムンク。」

「野球部主将、オルカ。」

危険な雰囲気に、割ってはいる生徒会長、昴。
「お二人とも、ケンカはいけません!」

昴に言われて、少し怒気をおさめる二人。

「貴様、あの赤い少年の友人だそうだな。」

「だったら、どうした。」

「友人ならば、なぜ注意しない!」

「注意? 何のことだ?」

「何度言わせる! 赤い服装は校則違反だ!」

「お前は、他人のことが言える格好なのか? 羽なんぞ生やしやがって。」

「この羽は、我が身体から生えているのだ! 服装ではない!」

いきなり、声のトーンを落とすオルカ。
「あいつもそうだよ。」

「なに?」

「あいつも、あの赤い服装で無いと生きていけない身体なんだ。」

沈痛なオルカの表情に、裏事情その他色々を察するバルムンク。

「くっ、そうだったのか。それを、私は、、、」

場の雰囲気が、一気に暗くなる。昴、心配そうに両者を見守る。

そこに、銀漢が駆け込んできた!

「昴様、大変です。」

「何事です?」

「はっ! ザワンシンと名乗る男が、校内にて暴れまわっています。」

昴、血相を変える。
「場所はどこです!?」

「グラウンドで野球部の連中が襲われているようです。」

「ちぃ!」竹刀を手に急いで飛び出すバルムンク。

「くっ!」後を追うオルカ。

「私達もいきましょう。」昴と銀漢も後に続く。

昴たちが、現場に辿りついたとき、死闘は既に始まっていた。

野球部は見るも無残なありさまだった。

2mを越す大男が、大暴れしていた。

「貴様!」 竹刀を手に、切りかかるバルムンク。

「このっ!」 愛用のバットを手に、殴りかかるオルカ。

「オメガ流剣術、見せてやる!」

「このやろう、くらいやがれ。」

4番打者の強烈な一撃を食らわせるオルカ。無数に竹刀を叩き込むバルムンク。

「その程度の攻撃で、オレが倒せるかよ!」

「ぐあぁぁぁっ!」

吹き飛ばされる二人。大ダメージ。

「ただデカイだけではないのか!」

ザワンシンとなのる暴漢は、無茶苦茶に強かった。

バルムンクの竹刀も、オルカのバットも、なんどもヒットするが、
全くダメージを与えられない!

「オルカ! 力を貸せ!」
突然、バルムンクはオルカに駆け寄った。

「この際だ、嫌とも言ってられん!」

「私を奴めがけて、撃ち出せ!」
フワリと飛びあがり、オルカのストライクゾーンに足の裏を出すバルムンク。

「どうなっても知らんぞ! 行けっ!」
渾身のスイングで、バルムンクを撃ち出すオルカ。

「おおぉぉぉぉっ!」
加速するバルムンク。

「どんな攻撃だろうが、俺には利か、、 何っ!」
オルカのスイングによる加速は、ザワンシンの予測を超えていた!

「くらえ、オメガ十三の太刀!」
Ωの字に残像を見せる、バルムンクの太刀筋。

闘いは終わった。

憮然として、オルカに話しかけるバルムンク。
「なかなかやるな、お前。」

対して、満面の笑みで返答するオルカ。
「お前こそ、やるじゃねぇか。無茶だったがよ。」

微妙な表情をするバルムンク。
「お前のバカ力があってこそだ。」

素直になれないバルムンクを笑うオルカ。
「ふふ。」

なおも、鼻で笑うだけのバルムンク。
「ふん。」


後日、彼らは知ることになる。

自分たちのひいばあちゃんが、

同じフィアナという女性であったことを。

「はとこ!?」



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