ポリシーとして、こういうものは作品中で語られるべき、というのが有ったのですが、10話近く書き上げてみても、一向に作品世界の世界観がうまく書き表されていない、と感じたので、やはり書くことにしました。つまり、敗北宣言に当たります。せめて、私の訳の分からない作品を、幾分分かり易い物にする、一助になることを望みます。
『精神の物質に対する優位と言うことじゃ。お主らの世界では、物質の方が精神に対して優位に立っておろう?それが逆なのじゃよ。つまるところ、この世界は、お主らの物質世界とは異なる精神世界と言うことになる。』(第1話凰斉の台詞より)
簡単に言ってしまえば、久遠は『魔法世界』と言うことになります。あまりにありがちですが、実際そうなのだから仕方有りません。
上記の台詞で重要なのは、物理的力、つまり科学が全く無視されている訳ではない点です。事実、第2話でガ○ダムもどきが登場しています。(活躍はしていませんが)
で、その位置付けなのですが、私たちの世界における『超能力者』と、同程度に考えていいと思います。SF小説などではよく、どこぞの国では『超能力者部隊』なるものが極秘に存在するという設定が出てきます。その力は一人で何百人もの敵兵を相手にして一歩も引かないほど、と言うあまりに大げさな表現もまま見られます。それと同程度の秘匿性と有効性がある、と考えていいでしょう。
もっとも、凰斉は熱心にこちらの世界を研究しているようなので、もっとレベルは高いのかもしれませんが。
『古代中華風のコンピューター』としか言いようの無いものが所狭しと並べられている。(第2話文より)
・・・電気では動いていません。誤解を恐れずに言うと『人力』です。つまり、センサー系のコンピューターは索敵に優れた能力者が、演算系のコンピューターは分析に優れた能力者が、その能力を補助、増強させるために使う訳です。原理はこちらのものとあまり変わりがありません。『力』にある特定の反応を示す『精神感応物質』を半導体代わりに使っています。
上記の文の直後に人が倒れた云々とありますが、時空転移装置に力を注いでいた時空系の能力者とそのバックアップをしていた補助系の能力者が、あまりの過負荷に気絶したのです。
『影』は人々の恐怖、畏怖、悲しみ、苦しみ、絶望、嫉妬、強欲などの『負』の精神エネルギーの塊らしい(第3話勇気の独白より)
もう一つ、忘れてはならないのが第1章のタイトルにもなっている『影』と言う存在でしょう。メインキャラをさっさと登場させるため、最近、めっきり出番が無くなっていますが、物語の中核を為す重要要素です。序章に書いた通り『物の怪』の久遠版、と言ったら少々乱暴ですが、大まかにはそう言うことです。
この『影』の大量発生による世界の混乱が、勇気召喚の理由とされています。原因は目下調査中。今のところ、それ以上は語るべきことを持ちません。
物語の順に沿って各都市を説明していきましょう。